宇宙と1つになるとき〜 When Becoming One With The Universe
ヒューマン・ゲノム(人間の全遺伝子情報)を解読する試みは25年前に勢いを増してきました。今、新しい全遺伝子情報を書く時が来たかも知れません。
Conceived in the mid-1980s, launched in 1990, and completed to first draft in 2000, the Human Genome Project (HGP) was one of the largest international science collaborations in modern history. Costing approximately $3 billion, it was also one of the most expensive. The HGP was visionary, initiated even before the first bacterial genome (much smaller) had been sequenced. It transformed biology into a digital information science, yielding ongoing returns that include new insights into the molecular basis of life, cancer, and evolution, and also practical applications, like rapid genetic tests for important diseases.
1980年代半ばに発案され、1990年に開始され、2000年に最初の全遺伝子情報を書き取る作業が完成して、ヒューマン・ゲノム・プロジェクト(HGP:人間の全遺伝子情報解読プロジェクト)は、近代史において最も大規模な国際間科学協力の一つであり、そして、およそ30億ドルもの費用がかかるほど最も資金が必要となったプロジェクトでした。このHGPは先見の明があり、人間の遺伝子より遙かに小さいバクテリアの初めてのゲノム解読よりも前に開始されました。このプロジェクトは生物学をデジタル情報科学に転換し、たとえば、生命、癌、そして、生物の進化の分子的基盤への新しい洞察など、そして、重要な病気についての迅速な遺伝子テストのような実用的用途など、新しい成果が次々と出続けています。
That was then, this is now. Today, in 2012, reading a human genome is no big deal. It takes about a day and is approaching $1,000 in price. BGI, the Chinese DNA sequencing powerhouse in Shenzen, is out to sequence 1 million human genomes, a million animal and plant genomes, plus a million bacterial genomes for good measure. The forefront of genetics has moved on to new frontiers. One frontier is informational, massive data crunching to simply make sense of all this genetic information. The other frontier is about writing DNA code -- genetic engineering.
上に書いたことは当時の話であって、これから書くことは現在のことです。今日、2012年において、人間の全遺伝子情報を解読するのはさしたる問題ではなく、一日位あれば出来ますし、費用面でも1000ドル(1ドル=70円とすると、70,000円)で受けることが出来ます。中国のシェンツェンにあるエネルギッシュなチーム中国遺伝子解析所 「BGI」 は、100万人の全遺伝子情報、100万の動物と植物の全遺伝子情報、そして、おまけとして100万のバクテリアの全遺伝子情報を必死になって解読しています。この科学の最先端にはたくさんの情報があり、これらの膨大なデータを処理してすべての遺伝子情報の意味を理解することを可能にしています。
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Genetic engineering isn't what most people imagine it to be. It still conjures up the idea of white-coated scientists surrounded by test tubes and beakers bubbling away with colorful potions. In fact, there's no lab necessary, any old coffee shop will do. This is because genetic engineering's gone digital, all done with computer software, using programs that function much like word processors. Mix and match genetic code, spell and error check, shuffle bits around -- it's drag and drop easy. When it looks good, just hit send. Companies like DNA 2.0 or IDT transform the virtual DNA into the real stuff using DNA printers called synthesizers.
遺伝子工学とは殆どの人達が想像していたものと違います。遺伝子工学と聞くと、今でも白衣を着た科学者たちがテストチューブやカラフルな化学薬品が入った泡がぶくぶくと出ている化学実験用のビーカーなどに囲まれているのを想像します。しかし、実際には実験室は必要なく、古いコーヒーショップで事足ります。その理由は遺伝子工学はデジタル化されコンピュータソフトにより処理され、まるでワープロのような機能を持つプログラムを使うからです。複雑な遺伝子情報をミックスし、遺伝情報やスペルのマッチング処理をして、そして、エラーチェックを行います。ビット情報をシャッフルし、操作はドラッグ&ドロップで簡単に出来ます。出来映えがよければ送信ボタンを押して終わりです。DNA2.0、または、ID Tなどの会社は、バーチャル遺伝子情報をシンセサイザーと呼ばれるDNAプリンター(※4)を使って転換し本当の遺伝子を作り出すのです。
It's called synthetic biology. Fast, easy, and cheap, synthetic biology is genetic engineering for the Facebook generation. Projects that once took months now take minutes; that once cost millions, a few thousand. Personal genomics following the same Moore's Law cost curve as personal computing. It's no surprise that the field's pioneers are the under-25 set, that the number of people associating themselves with synthetic biology has grown astronomically, and the potential for disruptive innovation is waking up everyone from Big Pharma to DARPA to Bill Gates, who said if he were a teenager today, he'd be hacking biology, not computers.
この分野のことを合成生物学と呼びます。速く、簡単で、安い合成生物学はフェースブック世代の遺伝子工学です。かつて数ヶ月も要したプロジェクトは、今では数分で完了します。何百万ドルもの費用がかかったものが今では数千ドルですむのです。個人のゲノミクス(ゲノミクス = ゲノムの機能や構造を解析する事)はムーアの法則(※1)のパーソナル・コンピュータとしての価格曲線と同じ価格の変化の仕方をたどっています。その分野のパイオニアたちは年齢が25歳未満の集団であり、合成生物学に賛同している人達の数が天文学的に増え続けているというのは驚くべき事ではありません。そして、破壊的革新を引き起こす可能性は、Big Pharma(※2)から、DARRPA(※3)、そして、「もし自分が十代の少年だったら、コンピューターではなく生物をハッキングしているだろう」と言ったビル・ゲーツの目まで覚まさせています。
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Activity in synthetic biology is growing across the board, with groups large and small applying the technology to specific challenges, a biofuel here, a drug there, a new diagnostic test, and so forth. With each drop in the price of DNA synthesis, or improvement in making DNA assemblies, the more projects that boot up, the more companies are launched, and the more investor money is raised. Despite this activity, outside of the scientific community, few have heard of synthetic biology, and even fewer appreciate just how powerful the technology is.
合成生物学における活動は、大小のグループでその技術を特定の課題について研究を進め、たとえば、ここではバイオ燃料に、あそこでは薬に、新しい診断検査などに利用しています。DNA合成の価格が下がることで、または、DNA集合体を作る技術が改善されることで、更に多くのプロジェクトが始動し、更に多くの会社が立ち上げられ、そして、更に多くの投資家達の資金が集められます。しかしながら、この活動に関わらず、科学界の外で、ほとんどの人達が合成生命を聞いたことがありませんし、このテクノロジーがどれだけ強力なものなのかその良さを理解している人達は全くと言って良いほどいません。
It's about time this changed. To this end, perhaps it's time to consider a new grand challenge for genetics, one that captures the public interest. I can think of none grander than an international effort to write a human genome.
そろそろこのような状況を変える時が来ています。この目的を達成するために、一般大衆の興味を引くような遺伝子工学の新しい大きな課題を考えなくてはいけません。私は、人間の遺伝子を国際的プロジェクトで書く(そして、作る)試み以外により大きい課題は考えられません。
I want to be absolutely clear that I'm talking only about the task of writing a complete 3 billion basepair human genome, correctly organized into 23 chromosomes, and packaged into a nucleus. A technical challenge, validated by showing the synthetic genome is functional if microinjected into a cultured cell. What I'm definitely not suggesting is growing a baby from a synthetic genome. Before we can fly, we need to be able to walk.
私はここで非常に明確にしておきたいのですが、完全な30億の塩基対の人ゲノムを書いて、それらを正しく23染色体に整理し、そして、核の中に入れること、そして、培養細胞の中に顕微鏡注入するとその合成ゲノムが機能することを実証することでその正当性を立証する技術的な挑戦についてだけ話しています。私が明確に提案していないことは、合成ゲノムから赤ちゃんを育てることです。私たちは飛ぶ前に、歩くことが出来る必要があります。
(管理人:そして、歩くことを覚えれば、当然次に飛びたくなる。つまり、試験管の中で核に合成した遺伝子をいれてそれが機能することを証明したら、次は、合成ゲノムから赤ちゃんが育つのを実験室で行う挑戦を必ずしたくなるでしょ う。
そして、赤ちゃんが正常に育ったら、次に、人間の遺伝子の構造をさらに理解し、それに改善を加え、それよりもさらに進んだ新しい人間の完全な合成ゲノムから今の人類よりもやや知性が高い、または少しだけ更に進化した人間を作り出したいと思うようになるでしょう。
これが人間の性というものです。
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Here's why I believe launching an effort to write a human genome makes sense. (Think of it as HGP 2.0.)
ここで、人間のゲノムを書く試みが意味のあることであると私が信じる理由を書いておきます。これを、HGP 2.0(ヒューマン・ゲノム・プロジェクト2.0)と考えてください。
- It's actually commonplace to write human genomes. Every time one of our cells divide, the cell's genome must be copied. The cellular machinery for perfectly duplicating DNA and packaging it into chromosomes may be complex and currently beyond our complete understanding, but it exists. Nothing needs to be invented, per se, just harnessed and controlled.
人間のゲノム情報を書くことは実は当たり前のことです。なぜなら、私たちの細胞が分割される度に、細胞の全遺伝子情報がコピーされる(=同じ遺伝子情報が書かれる)はずです。DNA情報を完璧に複写しそれらを核の中に入れ込む細胞機構は複雑なことかもしれませんし、現在のところ私たちの完全な理解を越えています。しかし、その細胞機構は存在しています。何も発明される必要は無いのです。それ自体、単に装備して、管理するだけなのです。
- Synthetic genomes have already been made. Genetic scientist Craig Venter successfully wrote and "booted" a synthetic bacterial genome in 2010. A joint U.S.-China project is now underway to write and boot a synthetic yeast genome, about 10x larger and a billion years more evolved.
合成ゲノムは既に作られています。遺伝子科学者であるクレイグ・ヴェンターが2010年に合成バクテリアのゲノムを書き、「起動させる」のに成功しました。米国と中国の合同プロジェクトが現在、約20倍更に大きく、10億年更に進化している合成酵母菌のゲノムを書いて起動させる実験に取り組んでいるところです。
- It's affordable today and rapidly becoming more so. DNA synthesis costs fallen by about half per year on average. Today they about $0.20 cents per DNA base, or about $600 million undiscounted to synthesize a human genome. Granted, that's a lot of money. But in the next 18 months, newer synthesis technology is expected to accelerate the price drop. Next-generation DNA printers should reduce prices by a factor of 1000, or roughly $600,000. Should this reduction stay on pace, the cost of synthesizing a human genome could fall below $1,000 as early as 2020.
DARPA's Living Foundries synthetic biology effort is already funding breakthrough new tools and technologies for genomic engineering, and making them available to all scientists.今日手頃な価格で行うことが可能であり、更に価格は安くなってきています。DNA合成の費用は平均的に毎年半分に下落しています。今日、DNA塩基対一つあたり20セント(1ドル=約70円、20セント=14円。)、または、人間のゲノムを合成するのに割引なして6億ドルかかります。確かにそれは大金です。しかし、次の18ヶ月後には、更に新しい合成技術により価格が更に下落するでしょう。新しい世代のDNAプリンターにより価格が1000倍下がるはずです。つまり、DNA合成は約60万ドル位になるでしょう。この価格下落がこのペースで続くとすると、人間の全遺伝子情報を合成する費用は、2020年には1000ドル(= 7万円)にまで下がり得ます。
(ここで管理人は、2020年には7万円で人間のDNAを合成することが可能になることを想像してしまい、キーボードを打つ手が震えてしまって感激して笑ってしまいました! (*^▽^*)
DARPAのLiving Foundries(リビング・ファウンドリーズ)は合成生物学の為に、ゲノム工学用の進歩した新しい機器や技術の開発に出資しており、すべての科学者たちにそれらを利用できるようにしてます。
The HGP was one of the few life science endeavors that have captured the public consciousness, resulting in massive media coverage that continues to this day. An effort to write a human genome would build on this foundation.
ヒューマン・ゲノム工学は、癌治療における更なる進化を可能にし、肝細胞治療にも役立つでしょう。ヒューマン・ゲノム・プロジェクトは、一般の意識をとらえ、今日でもメディアに大々的に報道され続けている生命科学の数少ない試みの一つです。ヒューマン・ゲノムを書く試みはこの基盤の上に建つ事になります。
最初のヒューマン・ゲノム・プロジェクトのように、賛否両論がある一方で、明らかにその挑戦から得られる恩恵があります。たとえば、新しい薬の開発費用を下げたり、または、新しい燃料を生産出来るようになったり……。
(管理人:食品を遺伝子を合成して製造できるようになると農家や農場で食品をゼロから育てる必要がなくなり、食品の価格がただ同然にまで下落するでしょう。 )
Overall, a coordinated effort to write a Human Genome would likely be completed in less than a decade, cost significantly less than the first HGP, and result in countless new biotech applications. To me, it seems a no-brainer when it comes to big ideas in the genetic space. What is surprising to me is that the genomics community hasn't yet advanced such a project. Eventually, someone has to. If there's a question mark hanging over this at all, it's whether the U.S. or China will lead the scientific charge.
全体としては、ヒューマン・ゲノムを組織的に書く試みにより、10年以内に、しかも最初のプロジェクトに要した費用よりも遙かに少ない費用ですむでしょう。そして、そのおかげで数知れない多くのバイオテクノロジーの分野での利用法が開発されるでしょう。私にとっては、遺伝子工学の分野での大きなアイデアになると、頭を使わずに簡単に出来ることに見えます。私にとって驚くべきことは、遺伝子工学の世界では未だにこのようなプロジェクトを前へ進めているところはありません。そのうち、誰かがやらなくてはいけなくなります。もし、これについて疑問符がつくとすれば、それは米国、または、中国のどちらがこの科学的チャレンジをするか……ということです。
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