40で期待するもの
40周年を迎える日本フランチャイズチェーン協会に期待すること | フランチャイズのことならフランチャイズ情報誌「FRANJA(フランジャ)」
日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が開催する「新春賀詞交歓会」。ほぼ毎年うかがっていますが、1月10日に開催された今年の賀詞交歓会は、JFAが2012年4月で設立40周年を迎えるということで、いつにも増して豪華で特別な発表もありました。
共通テーマは「みなさまに支えられて40年、新時代へ ~絆 前進 フランチャイズ~」だそうです。
港区の溜池の交差点近くにある「ANAインターコンチネンタルホテル東京」で開かれたのですが、受付を済ませて会場に入ると、例年以上の混雑ぶり。立ちスペースが見つからないので、立食のお料理が並ぶテーブルの内側に入り込んだほどでした。
変わらないのは背広姿の男性が95%以上で、会場全体が"ダーク色"で塗り尽くされていたことでしょうか。
15年近く通っているはずのJFAの賀詞交歓会。毎年参加者が増えていることは感じていましたが、今年は620名以上の参加があったそうで「過去最多のご参加者をお迎えできて」と、中〆の挨拶をされたファミリーマート社長の上田準二さん(JFA副会長)がおっしゃるのを聞いて、「そうでしょうね、むせ返るような雰囲気ですよ」と納得。
実は参加者はフランチャイズ本部関係者以上に、フランチャイズ本部企業を支えるサプライヤー企業が多いのが特徴です。そんな訳でコンビニ本部の社長の前には、ズラーっと名刺交換をしたい業者の方々が並ぶのが恒例となりました。初めて見た方は、なかなかに驚く光景だと思います。
関係省庁の副大臣などの来賓挨拶もありましたが、今回の目玉はJFAが40周年を迎えるこの2012年に、記念事業としてどのようなことを計画しているかの発表です。
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◆フランチャイズ・ショー2012(日本経済新聞社主催、3月6日~8日、東京ビックサイト)への
いじめ子供と親のための提案JFA40周年記念パビリオンの出展と、JFA正会員ゾーンの設置
→ 「記念パビリオン」は、多分、日本のフランチャイズ産業界の歴史と成長が目で見て分かるようなコーナーになるのではないかと勝手に予想しています。「JFA正会員ゾーン」は、会長職を務められているモスフードサービスが6コマで出展される他、FCショーをご無沙汰していたコンビニエンスストア御三家(セブン‐イレブン、ローソン、ファミリーマート)や、これまで加盟者を公募したことがないので1度も出展されたことがないと思われるハードオフコーポレーション、お久しぶりのプラザクリエイト、居酒屋の老舗で新業態開発も活発なつぼ八なども出展されます。他の新興フランチャイズと違って、営業色バリバリではなく、JFAに加盟しているフランチャイズ本部企業としての責任として出展されるはずなの� ��、是非、立ち寄ってみて、「JFA正会員本部の余裕&あるべきフランチャイズ本部の姿」を感じて欲しいです。
◆記念シンポジウム
FCショーの初日の3月6日に「"フランチャイズ"の更なる進化・飛躍に向けて」と銘打って、基調講演をJFA会長でモスフードサービス社長の櫻田厚さんが、そしてパネルディスカッションはこの櫻田さんと、副会長職の3名、つまりハードオフコーポレーション会長兼社長の山本善政さん(小売・サービス部会)、ファミリーマート社長の上田準二さん(コンビニ部会)、ストロベリーコーンズ社長の宮下雅光さん(外食部会)の4人が登壇されます。
→ 例年にない豪華な顔ぶれですし、それぞれの業種の違いによってフランチャイズビジネスの捉え方がどう違っているのか、どこに共通項が見出せるのかが楽しみです。
既に本シンポジウムの受付も開始されているようですよ!
それと、これは裏技ですが、東京ビッグサイトの【会議棟】で行われるこのシンポジウムの後で、これらの大御所経営者が自社の出展ゾーン【西3・4ホール】に立ち寄る可能性は高いです。シンポジウムの直後の時間を見計らってそれぞれの企業のブースに行けば、直接、モスの櫻田社長、ファミマの上田社長などとお会いしたりお話ししたりできる可能性大だと思います!
◆設立40周年記念特別講座
するときは、赤ちゃんのキックを感じることができる写真の通り、3月、4月、5月とカレーのCoCo壱番屋の創業者の宗次徳二さんや日本メンズファッション協会から「ベストドレッサー賞」ももらったことがあるローソン社長の新浪剛史さんなど、著名な経営者のお話が聞ける特別講座です。フランチャイズビジネスの社会への貢献度や大きな可能性をアピールできる場になりそうです。
ほかにも日経新聞全15段で広告を打ったり、「フランチャイズ・ハンドブック」の改訂版を出版したり、JFAの会員向け機関誌の「フランチャイズエイジ」も刷新するようです。
様々なご提案やお願いをする度に「うちはお金がないから・・・」と繰り返しJFAの専務理事から言われ続けてきたトーチ出版としては、「あら、お金はあったのね・・・」と狐につままれたような気分でもありますし、私たちの「お金がない」感覚と、JFAの専務理事というお立場の方のおっしゃるお金がないとでは意味が違うのだと痛感し、これからはもっともっとフランチャイズ産業界の発展につながる提案をし続けようと思い直しました。
そして、何より、私が一番期待している事業は、
◆「フランチャイズ事業者登録の構築」
です。
国内のフランチャイズ本部企業やチェーンを一覧化すると共にフランチャイズに関連する各種情報を発信する総合ポータルサイトが5月にオープンする予定で進んでいるようです。
日本の今のシステムだと、どこの企業がフランチャイズシステムを取り入れていて、どこが直営展開なのか、ボランタリーチェーンなのか、はたまた代理店形式なのかは、各社に問い合わせて確認していくしかないですし、フランチャイズの定義自体が曖昧なので、フランチャイズシステムを悪用している企業に「うちはフランチャイズ本部です」と言われてしまうと、せっかく真面目に頑張っているフランチャイズ本部までが影響を受けてしまいます。
加えて、フランチャイズビジネスとライセンスビジネス(加盟後の支援体制がない)の"ミックス型"をどう交通整理されるのかにも要注目です。
なので、JFAによる「フランチャイズ事業者登録の構築」は、是非頑張ってほしいと思っていますし、絶対に必要なポータルサイトだと思っています。
記念品steppingstonesを作る方法どこまでの完成度で5月にサイトがオープンされるのかに期待です!
JFAは1972年4月に、通産省(現・経産省)の認可を受けて、たった21社の会員数で発足したそうです。10年前にJFA30周年記念誌をトーチ出版で作らせていただいた折に、JFA設立に関わった何人かの元フランチャイズ本部社長や初代専務理事に取材させていただく機会を得ましたが、それはそれは熱い思いで立ち上げられたことを感じました。その発起人たちが「いい産業界に育てたい」「生まれて10年にも満たない日本のフランチャイズを、自分たちの手できちんとしたルール整備をしなければ!」と、FC先進国の研究はもちろん、日本のフランチャイズに必要なルールは何だろうと、自社の利益への還元を度外視して手弁当、そして手探りで頑張られた姿を感じました。まだ、トーチ出版を設立してから2年目だった私たち� ��、フランチャイズの草創期を走りぬけた方々と自分たちの"今"を重ね合わせ、「こんなに頑張った先駆者がいた産業界を、私たち世代がきちんとバトンタッチしなければいけない」とも感じたものです。
日本のFC産業界は、あれから40年を経て、売上高21兆円超の大産業界へと成長し、会員企業数も400社(賛助会員等も含め)を超えるまでになったそうです。
今年の来賓の政治家の方々が、ご挨拶に立って一番に何をおっしゃったかというと、「昨年3月11日の東日本大震災では、本当にフランチャイズチェーン企業の皆様に大変お世話になりました」ということと、「被災地の方々に、生活にほしいものは何かと聞くと、ほとんどがここにおられるフランチャイズチェーンで頑張っている企業さんのお店やサービスです」とおっしゃっていました。
「そうだろうな」と思います。
それでも、まだまだ日本のフランチャイズ産業界の整備もその活動も、市場規模や存在意義に比べると未熟でいびつだと感じざるを得ません。
タテ割り社会の日本で、外食業、コンビニ、小売・サービスと、業界ごとに違う問題点を「フランチャイズシステム」というヨコ串で刺して、一致団結して前進する難しさは、フランチャイズビジネスの総合誌を作り続けてきた私たち『フランジャ』が、ハンパなく理解しているつもりです。
日本経済自体が大変な時ですし、自社を守ることだけでも大変だということを充分に理解しつつ、40周年という節目の今年をフランチャイズ産業界全体を大きく成長させるために大鉈を振るう年にしてほしいと願わずにはいられません。
そんなことを思っていたら、会長のモスフードサービス(外食)の櫻田さんと副会長のハードオフコーポレーション(小売・サービス)の山本さんが副会長のファミリーマート(コンビニ)社長の上田さんを囲んで笑顔で話しておられる場面を見かけました。
JFAの中でコンビニ部会と、外食部会、小売・サービス部会の間に越えがたき壁が存在するといわれて久しい中、これは嬉しい光景でした。
そして懇親会会場の受付では、ハードオフの山本太郎常務(山本社長のご子息)が、裏方に徹してJFA職員と共に受付業務やお土産の配布を手伝っておられ、「素晴らしいな」と感動しました。
「フランチャイズ展開するなら、まずはJFAの正会員にならないと動きが取れない。正会員になれるよう頑張ろう!」と、フランチャイズ本部構築を志す起業家の誰しもが思うくらいの"力"を、JFAに持ってほしいと心から願っています。
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