トキソプラズマ症と猫と妊婦
上で、トキソプラズマの感染経路を書きました。
このうち、猫好きさんが気になるのが、「ネコの糞便中に含まれるオーシストを経口摂取して」ですよね。
では、ネコの糞便中にオーシストはどのくらい含まれているのでしょうか?
ネコがオーシストを排出するためには、まず、ネコがトキソプラズマに初感染する必要があります。
ネコが感染するには、トキソプラズマのシストが含まれている生肉を食べるか、オーシストを経口摂取する必要があるのは人間と同じです。
ネズミを捕食したり、豚肉などの生肉を常食しているネコや、野外で偶然オーシストを含んだ土を舐めてしまったネコなどが感染するということです。
ということは、完全室内飼いで、猫砂+キャットフードで育てられている飼い猫にはまず感染の機会がないということですね。
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つぎに、ネコがトキソプラズマに感染しても、オーシストを排出するのは感染後3日〜3週間のあいだだけです。感染後5日〜2週間まで、となっている文献もあります。
というのも、感染して2〜3週間もすると、ネコの免疫が働いてトキソプラズマに対する抗体ができてしまうからです。
抗体ができてしまうと、もうトキソプラズマは有性生殖できずオーシストという卵を排出することもできません。シストというシェルターを作ってネコの体内に大人しく隠れているほかありません。
さらに、ネコは、生涯で1回しかトキソプラズマに感染しません。
上記の通り、一度感染するとネコの体内にトキソプラズマに対する抗体ができてしまうので、その後は生涯、トキソプラズマのオーシストを排出することはないのです(注1)。
初感染のネコだけが、一時期オーシストを排出するのです。
つまり、子猫か、それまで外に出た経験の無いネコにほぼ限られるということになります。
ところで、ネコがトキソプラズマに初感染すると、感染後3〜5日ほどで、オーシストを糞便中に排出するようになります。
このオーシストの量は大量で、しかも土中で数ヶ月も生き続けます(18ヶ月と書いてある文献もあります)。
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ただし、オーシストが感染力を持つようになるのは、排出されてから2日〜5日後です。
排便後24時間は感染力はありませんから、 ネコトイレをその日の内に丁寧に掃除すれば、感染力のあるオーシストは排除できるということです。
また、ネコの感染率についてですが、「ネコのトキソプラズマ・オーシスト保有率は、東京のネコで約1パーセント。しかし不思議なことには大阪のネコはほとんど保有していない(注2)」のだそうです。しかもこれは2000年に発行された本の中の言葉。完全室内飼いやキャットフードの普及等により、猫のトキソプラズマ感染率はどんどん低下していますから、現在の感染率はもっと低いと推定されます。
あなたの愛猫がトキソプラズマに感染しているかどうかは、動物病院で検査できます(注3)。
心配な方はあらかじめ検査されることをお勧めします。
以上を要約すると、猫経由でトキソプラズマに感染するには
(1) | 子猫か、今まで外に出たり生肉を食べたりしたことのない猫が、たまたまトキソプラズマに初感染し、 |
(2) | その初感染から3日〜3週間以内に出た糞便を |
(3) 中国が採用する理由 | 2〜5日以上経てから、妊婦が口にする。 |
という稀な条件が揃った場合に限られるということになります。
トキソプラズマに感染するルートは、「ブタ・ウシ・ヒツジ・ニワトリなどの生肉に含まれるシストを経口摂取して」が圧倒的に多いことは、これで納得いただけたと思います(注4)。
農作業やガーデニング等をする人は、土中に含まれるオーシストにも注意した方がよいでしょう。(注5)
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